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  • 2010.11.11 Thursday
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魯山人味道

評価:
北大路 魯山人
中央公論社
¥ 780
(1995-06)

数の子から始まり、あわび、鮎、河豚、猪…と様々な食材や料理について魯山人が語る。
その語り口調が美味しんぼの海原雄山を思わすのは当然。
北大路魯山人こそ海原雄山のモデルであります。


書をよくし、画を描き、印を彫り、古美術をこよなく愛し、料理に明るく、後半生、やきものの仕事に打ち込んだ多芸多才の芸術家である魯山人が、終生変わらず追い求めたのは美食でした。

本書はまさに美食家魯山人の食へのこだわりを十二分に感じれる一冊です。
河豚に対する絶賛ぷりとお茶漬けの記述の多さに少し笑ってしまいます。


 筆者の芸術家らしい探究心には敬意を表しますが、食へのこだわりは必ずしも人を幸せにするとは思えません。
どんな食材であってもどんな料理であっても美味しいと感じれる方が幸せだったりします。 何も食材や料理にこだわらなくとも、旬のものを頂き、季節を感じながら楽しく食事できればそれだけで幸せだと思います。


晩年の魯山人は狷介な性格が災いして、家族とも別れ、訪れてくる人も少ない孤独な日々を過ごしたそうです。真情を語る友のない寂しさを紛らわすように、作陶に没頭。積年の過労といかもの食いは、魯山人の体を徐々に蝕み、体力を要する作陶の仕事を困難にしました。加えるに、経済的な逼迫は、多数の人手を要する作陶の仕事の維持をますます困難にしていました。

天才であったかもしれませんが人格者ではなかったようです。

美食家は満足するということを忘れがち。


人の砂漠

評価:
沢木 耕太郎
新潮社
¥ 740
(1980-12)

 陽の当らない場所で人知れず生きる人々や人生の敗残者たちを描くルポタージュ8編。

一体のミイラと英語まじりの奇妙なノートを残して餓死した老女の過去を追う「おばあさんが死んだ」
もと売春婦だった人たちの養護施設の中での暮らしを描いた「捨てられた女たちのユートピア」

戦後、天皇に対する「事件」起こした人たちのその後、「不敬列伝」
商品相場にとりつかれて戦い続ける男たち「鼠たちの祭」
十数人もの相手から600万円もの詐欺を働いていた83歳の老女「鏡の調書」など…


「おばあさんが死んだ」から「鏡の調書」に至る8編は、追放されてしまった人々の悲哀をやさしさ、あたたかさ、悲しさ、そして厳しさでもって描かれています。


テロルの決算

評価:
沢木 耕太郎
文藝春秋
¥ 670
(2008-11-07)

 日比谷公会堂の演壇に立った社会党委員長の浅沼稲次郎を右翼の少年山口二矢が両手で握った短刀で刺した暗殺事件を描く。

61歳の野党政治家と17歳のテロリストのそれぞれの生い立ちから事件の一瞬までを生々しく描き出す。

自分がその事件現場にいてるように感じさせるほどの一瞬一瞬の描写に息を飲む。

テロは反社会的・暴力的な手段であり何の解決も生まないと僕自身は思っています。しかし山口二矢少年の国を思う熱い気持ちには心揺さぶられるものを感じずにはいれませんでした。

現在の堕落しきった政治に批判するひとはいてもここまで熱く行動に移せるひとはいないような気がします。


そしてその少年以上に庶民のための政治に全力を傾けていた浅沼稲次郎が刺されたのが何ともやるせない気持ちになります。


藤子・F・不二雄「異色短編集」1  ミノタウロスの皿

 ドラえもんやパーマンで知られる藤子・F・不二雄の一話完結で語られるSF短編集。
藤子・F・不二雄は子供作品だけ、という固定概念をくつがえしてくれた作品です。30年近く前に掲載された短編集ですが、発想が面白く、むしろ「新しさ」を感じました。そう、これは奇想天外さ、そして恐ろしさとリアリティに満ちている大人向けに作られた傑作です。
ドラえもんと同じ画筆で描かれる、宇宙の深遠へのあてのない旅・タイムマシンの功罪・ドロドロとした家族愛・生や性への執着・突拍子も無い発明品の数々・現代の状況を先取りしたかのような近未来社会の問題・そして人類滅亡と再生。

ほのぼのタッチでえぐい内容。ブラックでシュール…。短編だけどかなりひきこまれるものがたくさんあります。

表題作「ミノタウロスの皿」と「劇画・オバQ」はおすすめです。
とくに劇画・オバQは切なすぎ…。


アイデアは考えるな

評価:
柳澤 大輔
日経BP社
¥ 1,365
(2009-11-19)

 ピカソは生涯2万点以上の絵を書きました。
バッハは少なくとも週に1回は作曲してました。
エジソンの死後、アイデアメモがぎっしり書かれた3500冊あまりのノートが発見されました。

アイデアは「質」より「量」

アイデアをたくさん出せるようになると、人生において選択肢が増える。選択肢が増えれば、行き詰らずに済む。打つ手が残されていると分かれば人はポジティブになれる。
前向きに生きるために必要なのは、性格を変えることではなく、アイデアをたくさん思いつけるようになるノウハウ!

100個アイデアを出して、そのうち実現しそうなのが1案しかなくてもかまわない。その無駄に思える99案を出す過程が、自分をポジティブにしてくれます。

ビジネスだけでなく生きる上でも力になってくれるカヤック社長の著書。


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