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評価:
藤子・F・不二雄
小学館
¥ 590
(1995-07)
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ドラえもんやパーマンで知られる藤子・F・不二雄の一話完結で語られるSF短編集。
藤子・F・不二雄は子供作品だけ、という固定概念をくつがえしてくれた作品です。30年近く前に掲載された短編集ですが、発想が面白く、むしろ「新しさ」を感じました。そう、これは奇想天外さ、そして恐ろしさとリアリティに満ちている大人向けに作られた傑作です。
ドラえもんと同じ画筆で描かれる、宇宙の深遠へのあてのない旅・タイムマシンの功罪・ドロドロとした家族愛・生や性への執着・突拍子も無い発明品の数々・現代の状況を先取りしたかのような近未来社会の問題・そして人類滅亡と再生。
ほのぼのタッチでえぐい内容。ブラックでシュール…。短編だけどかなりひきこまれるものがたくさんあります。
表題作「ミノタウロスの皿」と「劇画・オバQ」はおすすめです。
とくに劇画・オバQは切なすぎ…。